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Mekuri | めくり

🔗 Original article in Japanese | めくり
 

📌 Framing information:

まず呼吸としぐさの解説から。

むすびのしぐさで1,2,3と息を吸い、息を止めて1,2,3、ほどきのしぐさをしながら1,2,3と息を吐き、ゆっくりとむすびのしぐさに戻しつつ息を止め1,2,3。初めに戻る。これで一回。呼吸としぐさは連動しているので、バラバラにならないように練習する。

次に、この呼吸としぐさを意識と映像に連動させる。

まずは静かに目を閉じ、額のあたりに映像をうつす。

特別意図したものでなく、自然とその場で浮かんだもので良い。

大抵は日常的な空間や、記憶の断片などであると思う。

この映像と、それを知覚した瞬間の心の動き、体感など全てを含めて一枚の膜状のものと認識する。

むすびのしぐさの間、この膜をできるだけ強く維持し、味わう。

次のほどきのしぐさと同時に、幕が中央で裂け、カーテンのように勢いよく両脇へ退いてゆく様子を想起する。ほどきのしぐさの手の動きは、物理的に幕を両脇に払うように。

次のむすびのしぐさを作る頃には、奥からまた新たな膜が現れる。

この行ではこのようにして、幾重にも棚引く意識・記憶・感覚・感情の膜の階層を、呼吸としぐさで「めくる」ように移行するというものだ。一枚一枚、どんどんほどき、奥へ奥へと進んでゆく。

膜に投影される映像や感情は、どのように些末なものでも構わない。

浮かぶままに、膜をむすび、ほどくを繰り返す。

余裕があれば、息を吸いこむ時には水の、吐く時には火のイメージを重ねると尚良い。

赤と青、色のみでも構わないし、膜に投影する映像として火水のエフェクトをかけても構わない。

もし、そもそも膜に映像を投影することそのものが難しいのであれば、視覚の「覚」だけを額に移すようなイメージで、ぼんやりと額に重みを感じられるようにするだけでも良い。この場合は、映像ではなく、肉体の感覚やわき起こる感情の揺れに着目すること。

五枚、十枚と膜をめくる頃には、頭が重くなってくる場合がある。

この場合は、抗わず、頭がこっくりこっくりと動くに任せる。

身体の喜ぶように、頭を揺するなり、首を回すなり、それもしぐさの一部として、つなげてゆく。

呼吸としぐさのリズムさえ、乱れなければ良い。

万が一、あまりにも素晴らしく、奇跡としか思えないような啓示を得たり、何かありがたい神的存在に出会ったり、えも言われぬ魅惑的なヴィジョンを得たとしても、冷酷なまでに淡々とほどくこと。

時がきたら、1,2,3と息を吸う拍でひめひこ、止める拍でむすび、のしぐさをする。

このときのむすびのしぐさは、人差し指を絡めるものではなく、合掌から両手の五本指を交互に組み合わせるものである。そして、火と共に息を吐き、合掌のむすびのしぐさを軽く膜にぶつける(投げ入れる)ようにし、むすぶ。

膜をひめ、自身をひことして、自身と意識の階層をむすぶのである。

最後にむすぶ膜は、まずは真っ白な光(折り目ひとつない、何も書かれていない紙を日に透かしたような)を目指すこと。

この行は、自身の意識の階層を能動的に移行させることで、自身の心と身体を健やかに保つための手段であると同時に、効果的に使えば儀式や神託おろしの場でより深い領域に降りてゆく手段にもなりうる。

応用編として、なかなか火の夢を見られないなら、寝る前に何枚かめくって、火の膜とむすぶと良い。

土、金、水、木、そして火と五行を意図してめくるなら、パスワーク的な使い方もできる。

あなたが蠱惑以上で、ひめひこ講で野山にでかけた際にその土地とより深く繋がりたいと感じたならば、めくりでその土地のすなのひめひこの膜にむすぶとよい。ただしこの場合はリスクもあるため、慎重に行ない、去るときに必ずほどくこと。

何かしらの行や、オフラインの講に参加するなら、準備運動として数枚、めくり、まっさらな膜と結んでおくと良い。女神の真名を知るものは、名を呼び包まれるのも良いだろう。

使い方次第で如何様にも活用できるが、この行の最も重要なのは、意識と感情の階層を、自身の意志を持って自由にむすびほどくことが出来るという実感を、心身に覚え込ませるということである。

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